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日本ロレアルがエイズ予防教育活動を開始 美容師ネットワークを通じて届けたいメッセージとは?

パリUNESCOトップの松浦晃一郎事務局長とファッション業界の中でもセンスの良さと魅力的なコンテンツで人気を集める「WWD マガジン」山室一幸編集長、日本ロレアル プロフェッショナル プロダクツ事業本部広報本部 安尾美由紀が対談しました。 世界規模で考える日本のHIV/エイズ予防の大切さ、UNESCOとロレアルのHIV/エイズ予防教育活動の取り組みについてお話いただきました。

松浦晃一郎

松浦晃一郎
国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長

1959年に外務省に入省。アメリカ局北米第一課長、経済協力局開発協力課長、アメリカ大使館参事官、大臣官房審議官、香港総領事、経済協力局長、北米局長、外務審議官などを歴任。この間、1992年1月から2年あまり、先進国サミットのシェルパを務める。1994年特命全権フランス大使。1999年11月に日本人としては初めての、ユネスコ事務局長(第8代)に就任

独自のネットワークを活用して正しい知識を普及させていただくということは、時に募金以上の意義があります


山室一幸(以下、W):ロレアルさんと言うと、世界的に見ても、人道支援とか環境問題とか、そういった社会意識の非常に高い企業として、我々の業界では認知されていますが、今回この「美容師とともに行なうHIV/ エイズ予防教育活動」(HAIRDRESSERS AGAINST AIDS)に至った経緯というのをまずお伺いできますか?
安尾美由紀(以下、Y):はい。まず2001年にロレアルの南アフリカ社がこの活動を始めたんですね。すごくいい活動だっていうのが本社にも伝わっていたところだったんです。ちょうどその時に、弊社の会長夫人がユネスコの親善大使をしており、ユネスコさん自身も世界に教育と科学と文化を伝えていくという大きなミッションがあって、中でも特に教育に力を入れていらっしゃる。私たちロレアルのプロフェッショナル プロダクツ事業本部、美容室流通の事業部も非常に教育に力を入れているというのがあったので、ではユネスコさんとロレアルで一緒に、エイズ予防教育活動をできないかということになって、私たちとしても自分たちだけよりも、やはりユネスコさんのバックアップがあった方が大きな力になると思ったのが一番の要因です。
W:具体的にはどのような活動でしょうか。
Y:やはり、エイズは、教育があれば絶対にならない病気です。なので正しい知識を伝えるというのを一番の主軸に考えています。ロレアルではプロフェッショナル プロダクツ事業本部がパーマのかけ方や接客の仕方など特に多くの教育を行なっているんですね。そのアカデミーでの教育の最後の10分間で、正しい知識をリーフレットなどで伝えるということから始めています。本当に最低限これさえ知っていれば、絶対エイズにはならないというような基本的な知識をお伝えする。その知識を今度は美容師さんがお客様に伝えていく。美容室っていうのは、非常に密なコミュニケーションを図れる場所ですよね。たとえば彼の話だったり、ご家族の話だったりもできる特別な空間だし、特別な信頼関係があるので、そこで伝えていくことで、身近なこととしてとらえていただけるんじゃないかと考え、教育を中心とした活動を行なっています。
W:我々ファッションやビューティの業界でも特に70〜80年代に、優れた多くの才能をエイズによって失ったという非常に悲しい現実があります。世界におけるエイズの現状はどうなんでしょうか?
松浦晃一郎(以下、M):全体として、幸いにしてエイズはピークを打ったと思っています。一時期4,000万人いたと言われていましたが、現在は3,300万人にまで減っています。しかし、3,300万人もいるということに変わりはない。かつ、その3分の2がアフリカに集中しており、その内6割は女性です。また一年の感染者数も一時期400万人を超えていたのが今は250万人まで減ってはきているものの、やはり250万人の新規患者が出ているということですからね。それから、毎年亡くなる人の数も220万人がピークで現在は200万人にまで減ってきましたが、依然大きな問題であることに変わりはありません。なので、この事態は真剣に受け止める必要があるんですね。


エイズは正しい知識があれば防げる病気。
知識を伝えるというのを一番の主軸に考えています


W:ただそれは単に病気にかかってしまった方が、それだけいるということだけではなく、親が亡くなって、子供が孤児になってしまっているというようなこともかなり大きな問題になってきていますよね。
M:そうなんです。エイズウィルスっていうのは風邪のウィルスと違って弱いウィルスなんです。風邪のウィルスは強いから感染を防ぐのも大変ですが、エイズウィルスは弱いので、ちゃんと対処方法を知っていれば防げるんです。感染ルートは明らかなわけですから、きちんと対応さえすれば防げるんですね。にもかかわらず、今なお250万人の新規患者がいるというのは重く受け止めなくてはなりません。日本は1万人と少ない数ですが、毎年1,000人ずつ増えてきて、それが上り坂になっている。ですから、やはりエイズ対策、エイズに感染しないようにするというのは、一言で言えば、しっかりした知識を持って、問題意識を持って対応してもらうことが重要になります。
W:通常は商品の売り上げの何パーセントかをそういった団体に寄付するとか、特別にその期間、限定商品を発売して、それの売り上げを寄付するとか、もしくは募金を集めるとか、そういった形の支援が多い中で、きちんとした冊子を作って、エイズに関する正しい知識を広く伝えていこうという活動は、他の企業とはスタンスがかなり違うと思うのですが、そこに至った経緯を教えていただけますか?
Y:はい。もちろん募金というのも考えております。でも、一番の中心は教育だと思っています。やはりそれは先ほどもお伝えしましたように、エイズは知識があれば絶対にならない病気であるからです。日本ロレアルもこの活動に取り組んでいきますという発表をした際に、ジャーナリストの皆さんが、「日本だとイベントは開催しているけれども、正しいエイズの知識って結局みんなに伝わらないまま終わってしまうところがある中で、ロレアルさんは性に対して非常にネガティブな日本という国で、正しい知識を伝えていこうというコンセプトがすごくいいですね」っていう評価をいただいて励まされました。私もロレアル独自のネットワークを活用して教育に注力するというコンセプトは大変気に入っています。
W:本来厚生労働省が作って欲しいぐらいのクオリティの高い冊子ですよね。
Y:有り難うございます。面白かったのは、テスト的に3店のヘアサロンさんにご協力いただいて実際にお客様にエイズの正しい知識を伝えていただいたんですけれども、お客様から「私も何かできることないかしら」っていうすごく前向きな反応が多いという結果を聞いて、嬉しかったですね。お客様からも募金のアイデアが出てきているので、2009年は、ユネスコさんに寄付するという形でやっていきたいと思っています。

安尾美由紀

安尾美由紀
日本ロレアル株式会社プロフェッショナル プロダクツ事業本部 広報本部PRグループマネジャー


山室一幸

山室一幸
「WWDジャパン」編集長兼
「WWDビューティ」編集委員

ロレアルさんのようなメッセージ性の強い企業に
先導していって欲しいですね


W:トータルビューティをコンセプトに掲げる企業がこういったことをメッセージとして伝えるというのは、非常に意義があると思います。そして、フランスの企業だから伝え方も洗練されていると感じました。
Y:有り難うございます。私もこの活動に参加した当初は、やはり女性なので戸惑いがあったんです。けれども、予想以上に賛同の声が多く、励まされながら今に至ったという感じがしています。私自身もこのCSR(社会貢献活動)を行なうことで、すごく世界が広がりました。化粧品会社が取り組むという意義もあるし、世界では患者の多数が女性であるっていうのもありますので、女性が意識を持つことはすごく大切だと思うんです。
W:そうですね。我々はどこかでエイズって海の向こうのこと、なんか、それこそ難民救済とか、そういった類いのものと同じように、まだ対岸の火事みたいに思っているところがあります。なので、日本でも1日に4人以上の感染者が生まれているという現実に正直驚きました。さらには先進国で増えているのは日本だけだということも知りませんでした。
M:日本にエイズ患者がいるなんて、日本の新聞もあまり書きませんしね。出ても小さく隅に掲載されるぐらいで、大きく出るとしたら外国におけるエイズとして取り上げられるから、まさか身の回りにエイズ患者の人がいるなんてみんな思わないんです。それから今の数字も、わかっている範囲の数字であって、日本の場合は、やっぱりエイズ患者っていうとみんなが敬遠しますから。認めないし検査も受けない。だから潜在的な患者っていうのは、それをかなり上回る人が大勢いると思うんですね。日本について言えば、やっぱり本当にしっかり問題意識を持ってもらえれば防げる話なんです。そういう意味で、ヘアサロンのネットワークをロレアルさんは持っておられるから、それを活用していただくとユネスコにとっても非常に有り難いですね。
W:美容師ってお客様にとってセラピスト的な存在でもありますから、特別な信頼関係が生まれやすい。その点でヘアサロンのネットワークを用いて活動を行なっていくというのがキーワードとして非常に生きてきますよね。
Y:有り難うございます。CSR っていうと、本来は企業広報が携わるのが普通なんですけれども、このHAIRDRESSERS AGAINST AIDSに関しては、どこの国も私たちプロフェッショナル プロダクツ事業本部、ヘアサロン流通の部署が担当しているんですね。それは、やはり特別な信頼関係がある業種であるからなんです。やはりヘアサロンが一番滞在時間も長くて、信頼関係も厚い。信頼している人から正しい知識を得るっていうのは、すごく効果的だと思っています。
W:実際に、美容師のサロンのネットワークっていうのは、どのくらいの人が関わってらっしゃるんですか?
Y:今、ロレアルのヘアサロンっていうのは、2万6,000軒あります。2008年に関しては2万2,000人の方に正しい知識をお伝えすることができました。2009年に関しては、さらに5万人にお伝えしたいと思っています。
W:すごく大きなネットワークですよね。
Y:社会貢献って何でもそうだと思うんですけど、何の利益になるのかわからないですよね。だからこそ一生懸命やってくださったことに、やはり私たち日本ロレアルとしても何かモチベーションを上げるきっかけを提供していけたらいいなと思っています。
W:松浦さんはロレアルさんのようなメッセージ性の強い企業が、こういった活動に積極的に取り組まれることについて、どのように感じていらっしゃいますか?
M:今回ロレアルさんにやっていただいているような、独自のネットワークを活用してエイズについての知識を普及させていただくということが、本当は一番重要だと思っています。もちろん資金は要りますけれども、資金は極端な話、どこからでも集めることができるわけなので。作っていただいたリーフレットも本当によくできていますね。
Y:嬉しいです。世界の松浦さんに、そんな風に言っていただいて。
M:拝見すればするほど簡潔にまとめられていると思います。やっぱり「危ない」「ちょっと自信がない」なあと思ったら、どんどん検査を受けて欲しい。知識を自ら身につけようという意識を根付かせていきたいと思いますね。




「ユネスコ/ロレアル 感謝式典」開催 HIV/エイズ予防教育活動を通じて得たものとは?

日本ロレアルは、日本ユネスコ国内委員会の後援の下展開している
「美容師とともに行なうHIV/エイズ予防教育活動」に伴い、
12月1日の世界エイズデーに合わせ「ユネスコ/ロレアル 感謝式典」を開催した。
その様子をレポートする。
 




2008年12月1日に開催された感謝式典では、ロレアル独自の強みである教育を主軸にHIV/エイズ予防教育活動を美容師から社員まで積極的に展開し、結果的に2万2,000人に正しい知識を普及させたという2008年の活動報告がなされた。また、2009年の計画として、5万人へ正しい知識を普及させることを目標とするとともに、「UNESCO HIV/AIDS教育促進特別基金」へ各種イベントで集まった募金を寄付し、世界のHIV/エイズ予防教育の普及を支援していく活動が発表された。また、HAIRDRESSERS AGAINST AIDSに参加した美容室 GRAND TAYA、サロン・ド・ボーテ・グレースへ感謝状が授与され、特別ゲストとして招かれたユネスコ第8代事務局長・松浦晃一郎氏より、正しい知識の普及への美容師ネットワークの活用に対し感謝が述べられた。感謝式典後には懇親パーティが賑やかに行なわれた。

ユネスコ/ロレアル 感謝式典
左から、ヨヘン・ザムザイル=ロレアル アジアゾーン マネージングディレクター、松野功明・「サロン・ド・ボーテ・グレース」取締役人事部長、日吉百合子氏、松浦晃一郎・ユネスコ事務局長、飯塚ひろみ・「GRAND TAYA」総支配人、大川雅之・クリエイティブディレクター、ヴィアネ・ピヴェ=日本ロレアル 副社長兼プロフェッショナル プロダクツ事業本部長、 ピエール-イヴ・アルゼル=日本ロレアル代表取締役社長



松野功明

HAIRDRESSER INTERVIEW

意識を変えるきっかけをいただけたことに感謝しています

松野功明
サロン・ド・ボーテ・グレース 取締役人事部長

「大切なこと」とご賛同くださるお客様が予想以上に多い一方で、お伝えした知識をそのままご自分の知識としてのみにとどまってしまう場合もあることにも気付きました。日本人はエイズについての会話や教育が全くといっていいほどなされていない。そのような現状を踏まえるとロレアルとユネスコという大きな組織が行なっている活動に参加することで、私たち美容師は抵抗なくお客様にエイズについての話ができるきっかけができました。サロン内だけではなく、様々な機会でもエイズの正しい知識を伝えていきたいと思います。


松野功明

HAIRDRESSER INTERVIEW

難しさを感じながらも、日々勉強させていただいています

大川雅之
GRAND TAYA クリエイティブディレクター

今回の活動を通して、エイズの知識を得ることができて大切さを痛感している反面、人に伝える難しさを感じています。どうにかして、少しでも上手くお客様にアプローチできないかと考えながら取り組んでおり、日々勉強です。 私自身、友人をエイズで亡くし、大きなショックを受けました。自分とは関係がないと思っていたことが実際に身近なところで起こり、今回の活動で知ったエイズの正しい知識を持つ重要性を改めて痛感しました。1日1人ずつでも、正しい知識を伝えていけるように頑張りたいと思います。

 

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